プロの警備員にインタビュー 彼のその心とは

5月初旬某所にて自宅警備暦12年のA氏(35)に接見し、そのインタビューをまとめた物である。

―――あまり理解されていない職業だと思いますが、その件についてはどう思っていますか?
「世間の目なんかに気にしてたらこの仕事は続けられませんよ」
そう語るA氏の目は真剣そのものだった。

「私達には帰巣本能と言うべきかな?何か本能的に感じる物があるんです」
彼は続けた。
「基本的には、トイレと周辺警備以外は外に出ませんね。私達に休みなんて無い
ですから・・・・」
そういって、モニターの前に戻るA氏、その顔に迷いはなかった。

淡々と、誇らしげに語るA氏に、友人は
「ええ、彼には大変お世話になっております。彼に頼めばどんなボスにも負けませんからw」
とネット越しに話す。

A氏の高校時代の同級生だった佐藤さん。
「あまり話した事はありませんね。不気味というか、彼は周りとは違うオーラがありました・・・
きっと何かやるだろうな・・と。」

ここでA氏に再びたずねる・・・ ――ご両親は?
「ええ、両親はこんな仕事やめて別の仕事についてくれ、といいますね(笑)
でもこれはとてもやりがいのある仕事ですし、私の天職だと思っています!(キリッ)」

―――ご兄弟からは何か?
「私の妹がこの間結婚式を挙げましたが、妹も僕の仕事を分かっていてくれるのか招待状は着ませんでした。
まぁ招待されても私は仲間をボスから守らなければいけないのですけど(笑)」

―――NEETとよく混同されて表現されていますが、NEETについてはどんな?
「よく私達は彼らと一緒にされるんですが、大変憤慨しています。
自宅警備という大役はNEETみたいな根性無しにはとても務まりません。」
語気を強めながら手振りを交えてA氏は話す。

彼らは一様に自分の仕事に誇りを持っているようだ。
そこで我々が最も気になる事を聞いてみた。
―――それで、年収はいくらくらいなのですか?

「年収?そんなものありませんよ!私達は皆ボランティアでやっているんです。
無料奉仕で自宅や日本の文化(アニメ)を守る。これこそ"漢"ってやつかな」
はにかみながらも至極当たり前のように話すA氏

私はここで最初に周辺警備をしているということを思い出した。
毎日、決まった時間外出するのだという。一体外で何をするのか?
「ああ、毎日朝と夕方、小学校の警備に行っているんですよ。最近は物騒ですからね
どこの変質者や、道を間違ったオタクが狙ってるか分かりませんからね。」
A氏は続けた。
「だから私が小学生を守っているんですよ。
それにコミュニケーション能力を養うためにスキンシップも積極的に行っています。
小学生は運動量も多く、成長期ですから、足を揉み解してあげたりね。」

A氏との対談は本人の警備の都合上30分と大変短いものではあったが、
自宅警備員の実情、大まかな仕事の内容に関しては把握できたと思う。
A氏に限らず全国にさまざまな形で存在する自宅警備員達は日夜を問わず
その鍛え抜かれた精神力をフルに使い、警備を欠かさないでいるのだろう。


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Last-modified: 2008-05-15 (木) 16:18:16 (5827d)